ゲイの生きた歴史がここに〜埼玉にある『荻崎正広コレクション ゲイ・アートの家』

荻崎正広コレクション ゲイ・アートの家

”ゲイアート”に触れる機会は、普段あまりないように思いますが、今回はそんなゲイアートの世界にどっぷり浸れるスポットをご紹介。

ゲイ漫画家の”田亀源五郎”先生くらいなら知ってるけど、あとは… もう亡くなられたけど”木村べん”先生は有名だよね。

埼玉県鳩ヶ谷市にある、自宅を用いた隠れ家的な私設美術館『荻崎正広コレクション ゲイ・アートの家』をご存知ですか?
http://www7a.biglobe.ne.jp/~ogizaki/

2005年に開館し、20年近くを迎える施設で、ゲイアートを中心とした絵画・写真・彫刻・陶磁器など、”210点”以上が公開されています。

※場所は埼玉県・鳩ヶ谷駅から徒歩10分程の、鳩ヶ谷スカイハイツ(マンション)9階にあります。

(室内)荻崎正広コレクションゲイ・アートの家

画像引用:Facebook

館内には…

平野剛・長谷川サダオ・稲垣征次・稲嶺啓一・波賀九郎・三上風太・冬陽・高蔵大・佐武郎・三島剛・ヤギシンゴ・jiro・内藤ルネ・岩上大悟・神宮寺拳・四聖鰆・奥津直道

その他、60名に及ぶ作家のコレクションが展示されており、絵画、写真、彫刻など、様々な種類の作品を鑑賞できます。

マンションの一室だから緊張しちゃいそうだけど、室内はすごい世界なんだろうな。。

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また、館内にはアート作品だけでなく…

薔薇族などのゲイ雑誌

日本を代表するゲイ雑誌「薔薇族」や「Badi」「G-men」などのバックナンバーなども多数設置されており、自由に閲覧することが可能です。

※現在は全て廃刊になっているのでバックナンバーを手に入れるなら、まんだらけなどで購入しないとなかなか入手は不可能そうです。

荻崎正広コレクション ゲイ・アートの家の入館料と開館日時

画像引用:Facebook

『荻崎正広コレクション ゲイ・アートの家』を運営されているのは、荻崎正広(おぎざきまさひろ)さん。

好きなことは「色情を煽られる美術品に接すること。」「自身が届かなかった領域を言葉にしている書物を読むこと。」など

アーティスティックな感性で、HPの自己紹介を綴られています。

荻崎正広コレクション ゲイ・アートの家
http://www7a.biglobe.ne.jp/~ogizaki/
ゲイアートの数々

画像引用:Facebook

また次のようにも述べられています。

「顔にも尻にも惹かれる男と、しっとり、ひしひし交合すること。この歳になってますます、そうした男の肌身がいとおしく、大事に感じられて仕方がない。」

「成し遂げたいこと…思うところ、感じるところを、自分なりの言葉と表現で文学作品に結実させること。」

※このような言葉も述べられており、80代に差し掛かる現在も生命力に溢れ、若々しい魅力を感じる方なんです。

深みのある言葉に思わず恐縮しちゃいますね。
書物の数々(荻崎正広コレクション ゲイ・アートの家)

画像引用:Facebook

性別を選ばず、誰にでも開かれている場所なので…

ゲイアートに触れてみたい方はもちろん、芸術や性的マイノリティについて、改めて考えてみたいという方にもオススメです。

※開館日時は、13時〜17時、毎週月・木・金・日曜日の4日間で、入館料金は700円。(2022年現在)

動画:The House of Gay Art

同館が紹介されている動画では、漫画家・田亀源五郎先生がゲイ・アートの家を訪れる様子や、荻崎さん自らがアートについて語られるお姿も拝見できます。

※「ゲイ・アート作品は、自分自信を肯定できるひとつの材料である。」と語られているシーンが大変印象的で、温かく力強い眼差しで語られるお姿から、荻崎さんの素敵なお人柄を垣間見ることができました。

荻崎正広コレクション ゲイ・アートの家 HP

オフィシャルHPより

荻崎さんは年に数回、HP内のブログも更新されており…

今年の8月には、ふげん社が発行する雑誌「写真」誌(第二号)に「ゲイ・アートの家と円谷順一 の写真アルバム」と題して、取り上げられたことなどが書かれています。

また、荻崎さんご自身も書籍を出版されていて、「能楽哀恋集」「吹き荒ぶ生身の森へ 荻崎正広戯曲集」などの作品は、男性同士の耽美な世界について知ることができる内容となっています。

※リンクは各販売サイトを案内しています。

田亀源五郎先生と荻崎さん

田亀源五郎先生と荻崎さん

「荻崎正広コレクション ゲイ・アートの家」は、素晴らしい作品を鑑賞できると同時に…

「ゲイ」というセクシュアリティを抱えた男性たちが、“これまでどのようにして生き抜いてきたか”という歴史を学ぶこともできます。

※昭和を代表するイラストレーター・内藤ルネさんや、「薔薇族」「さぶ」「アドン」「ムルム」「サムソン」などのゲイ雑誌で活躍された長谷川サダオさんなど、錚々たる著名人の作品に触れることで、現在と過去を比較し、ゲイ男性の暮らしがどのように変化してきたのか、気付かされることも多いのではないでしょうか。

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昨今ようやく、LGBTやセクシャルマイノリティに対する考えに理解が深まりつつありますが…

長谷川サダオ氏のイラスト

「薔薇族」が創刊された1971年頃、日本で暮らしていたゲイ男性たちは、果たしてどのような生き方を選んでいたのでしょう?

…彼らが生きた証が”ここ”にはあるように感じます。

今もゲイであることに生き辛さを感じている人や、自分自身のセクシュアリティを肯定できるヒントが欲しい…という人に、ぜひ足を運んで欲しいスポットだね。

※荻崎さんがコレクションされた、こだわりのアート作品に触れることで、新しい考え方や生き方を見つけ出すことができるかもしれません。

photo by Gerard Koskovich

information

荻崎正広コレクション ゲイ・アートの家
http://www7a.biglobe.ne.jp/~ogizaki/
住所:埼玉県鳩ヶ谷市辻606-2 鳩ヶ谷スカイハイツ 907

ハッテン場事件