ゲイの社交場となっている「ハッテン場」について、詳しく解説。
ハッテン場はどういった背景で生まれ、今ではどのように活用されているのか?その他、ハッテン場の利用方法についてもお伝えします。
※ゲイアプリや、ゲイ掲示板を利用するのが面倒で、即ヤリできるハッテン場を使ってみたいと考えている方も、利用する前にご一読ください。
Contents
発展場(はってんば)とは?
男性同性愛者の出会いの場(リアルな場所・スポット)のことで性行為などのプレイを伴います。今ではカタカナで「ハッテン場」と表現される場合も。
※英語圏では発展行為のことを「Cruising」または「Cottaging」、豪州では「Gay beat」と言います。また日本でも、有料のハッテン場を「クルージングスペース」と呼んだりします。
ゲイであれば、「ハッテン場」という言葉は誰もが一度は耳にしたことのあるのでは?
ひとくくりに発展場と言っても三者三様、さまざまなスポットがあります。
ハッテン場になっている場所
- 公園
- サウナや銭湯
- 公衆トイレ
- 成人映画館(ポルノ映画館)
- 有料ハッテン場
※公共の場所や、そうしたサービスを公認していない場所での発展行為は迷惑防止条例や法律で禁止されています。
こうした場所で出会った相手とセックスしたり、そうしたパートナーを見つけるのですが、ある程度人口の多いエリアでなければ成立せず…
”サラリーマンや学生の多いエリア”であることが大前提となっています。
※田舎のように、人の集まる場所が駅しかない…という状況では、ゲイ同士が出会うこともハッテンすることも困難だと言えます。
ハッテン場が生まれた背景
ハッテン場の発祥・歴史については諸説ありますが…
江戸時代初期には『陰間茶屋(かげまちゃや)』と呼ばれる売春宿が既にあり、同性愛の男性たちが集まって、日々”ハッテン行為”が行われていたようです。
※その後の、ちょんの間や風俗サービスに近いものだと言えますね。
大正・昭和初期の発展場事情
この頃になっても、まだ『ハッテン場』という言葉は使われていませんが…
戦前は既に、”映画館”や”公園”がゲイ男性の出会いの場になっていたと言われています。
※江戸川乱歩の作品「一寸法師」では、”浅草公園で深夜にゲイ達が屯ろする…”という場面も描かれています。
また、戦前の一時期から上野公園には男娼がしばしば現れており…
上野や浅草近辺に現在もゲイバーや有料ハッテン場が多く存在しているのは、こうした背景があるからなんですね。
戦後 〜 60年代は公園・公衆トイレ・映画館が中心に
戦後直後から1960年代頃になると、本格的にゲイのハッテン場は公園や公衆トイレ、映画館が中心に。
その頃の東京のハッテン場は?というと…
「男娼の森」と呼ばれていた上野公園をはじめ、日比谷公園、信濃町駅最寄りの権田原という公園が、ハッテン場として利用されるようになっていました。
※世代を超えて、これらの場所をゲイたちが利用するようになり現在に至ります。
拍車をかけた東京オリンピックと大阪万博、そして生まれた専用ハッテン場
画像引用:https://www.news-postseven.com/
こうした歴史がある中で、「専用ハッテン場」の隆盛を助けたのが東京オリンピックと大阪万博だったとも言われています。
※専用ハッテン場とは”有料ハッテン場”のことです。
1970年頃、万博のために鉄道の旅客輸送を強化したため、万博後には輸送力が過剰に。空席を埋めるため、当時の国鉄が万博終了の翌月から打ち出したキャンペーンが「ディスカバー・ジャパン」です。
個人旅行を推奨するこのキャンペーンの影響で、当時の男性たちは中・長距離の個人旅行に慣れ、ハッテンを期待した移動や旅行を楽しむ人が増えたそうです。
※特に70年代を代表するゲイ雑誌では、ゲイが個人旅行や出張を楽しむ記事などが目立つようになりました。
そして、流用ハッテン場に加えて…”専用ハッテン場”も生まれました。
流用ハッテン場とは公衆トイレや公園など公共の場を指します。一方、専用ハッテン場はハッテンのために作られた”有料の専用施設”のことです。
専用ハッテン場:G-SEVEN
こうなった理由としては、ゲイの流動が活発化され、”流用ハッテン場”には数々のトラブルが起ったから。
戦前は、専用ハッテン場(有料)は数店舗しかなかったそうですが、1970年代後半に、ブームが到来。数多くのお店が誕生しました。
※その後は皆さんもご存知のように、都心はもちろん、全国各地にゲイバーや専用ハッテン場が作られ、ゲイ男性であれば誰もが気軽に利用できるようになりました。
それでも流用ハッテン場が廃れない理由
しかし、有料の専用ハッテン場があるにもかかわらず、現在でも流用ハッテン場を活用する人は絶えません。
その理由の一つとして…
ゲイであることを自らが受け入れられていない男性が、専用ハッテン場を利用することに抵抗があったり、”偽装結婚”をしている人にとってリスクがあるから。
※もちろん、単純に「有料の専用ハッテン場でお金を使いたくない」という人や、「時短になるから…」という理由もあるでしょう。
ハッテン場を改めて考えてみよう
世間一般的に「ゲイ男性の出会いは自由奔放で多淫な上に不道徳…」というイメージを持っている人もまだまだ多いかもしれません。
そして、バラエティ番組やYouTuberなどにも揶揄され、マイナスイメージばかり付けられています。
※”存在自体をおもちゃにされている”とも言えますね。もちろん、公共施設でのハッテン行為はNGなので、その点に関しては是正されていくべきだと感じます。
ですが、こうした歴史を知ることで、見え方が変わるというノンケの方も増えるのではないでしょうか?
ゲイ男性にも多種多様な考え方があり、ノンケ男性・女性と同じように日々悩み、もがきながら生きています。
「ハッテン場」の歴史を知ることで、ゲイへの理解が少しでも深まることを、願いたいものですね。
有料ハッテン場と、無料ハッテン場の違い
ご説明した通り、ハッテン場には2つのタイプが存在します。そこでメリットデメリットを簡単に解説。
有料ハッテン場
呼び方は店によっても違い、今では「クルージングスペース」と説明している施設も多いです。
メリット
- 実際に相手を見て、自分好みであることなどを確認してから性行為に及ぶことができる(ある程度断れる)
- ガチムチ系・ぽっちゃり系・リーマン系など、ジャンル別で入場制限のあるハッテン場であれば、タイプの男性をすぐに見つけ出すことができる
- 恋愛がスタートするという可能性もある
- セーファーセックスしてくれる人も多い
- 外国人と絡める場合もある
※有料ハッテン場のデメリットに関しては、お金がかかること。地方は店舗が少ない… くらいかと思います。
無料ハッテン場
地域の公衆トイレや夜の公園など、一般の公共施設がハッテン場と化している無料ハッテン場(流用ハッテン場)ですが…
今の時代は、デメリットだらけなのは事実。
デメリット
- 容姿や素性の分からない相手との行為で、身の危険を伴う場合がある
- 通報をされてしまう場合もある
- 誰でも覗けるのでYouTuberのネタにされ、巻き込まれる可能性がある
※やはり、有料ハッテン場と違い”管理者”がいないのでルールなどもなく、不特定多数が介入できてしまうのが問題です。
有料ハッテン場(クルージングスペース)の利用方法
渋谷のクルージングスペース:BACK STREET & F-WORD
では、そんなメリット多数の”有料ハッテン場”について詳しく解説。
有料ハッテン場の多くは、扉に目張りをして雑居ビルの一角に入居していたり、古民家を改装していたりと、一見お店とは分からないような外観をしています。
※これは、ゲイではない一般の人が入店できないように工夫されたお店側の配慮です。
利用料は1,500円〜2,000円程度が一般的。
入店から利用までのおおまかな流れ
①入店〜受付
受付は小さな窓口になっており、店員さんと顔を合わせることなく、受付で料金を支払い、ロッカーキーやタオルを受け取ることができます。
※会計については、クレジットカードに対応していないお店が多いので、必ず現金を持参するようにしましょう。
受付ではコンドームを無料配布されているお店が多いです。セーファーセックスを心がけるためにも、利用しましょう。
※また、コックリング・アンダーウェア・ローション・バイブなどのアダルトグッズを販売されているお店もあるので、必要であれば活用しましょう。
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②ロッカールームへ
料金を支払ってロッカーキーを受け取った後は、ロッカールームでお店のコンセプトにあったドレスコードに着替えます。
※ドレスコードには、競パン、ケツワレ、ラグパン、アンダーウエアなどがあります。
また、ロッカーキーを身につける部分によってポジションが変化するので、事前に確認しておきましょう。
※お店によっては微妙に違っている場合もあります。
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③シャワーへ
マナーとして、ウケやリバであれば施設内にあるトイレやシャワーなどで「シャワ浣」を済ませておきましょう。
※シャワーで浣腸するのは、ケツ穴に挿入されるので、腸を綺麗に洗浄しておく必要があるためです。
シャワーとトイレで身を清めた後は、いよいよ”クルージングスペース”へと移動します。
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④クルージングスペースからプレイ部屋へ
有料のハッテン場には、クルージングスペースが用意してあり、そこで気になる男性を見つけたり、トークをしたりします。
※ゲイ男性がいわゆる「ナンパ」や「男漁り」、「男探し」をする行為を「クルージング」と呼んでいることに由来します。
好みの相手が見つかった後は、二人きりになれる個室で過ごしたり、または大部屋で複数人と一緒に楽しむという流れになります。
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十分に行為を楽しんだ後は、シャワーを浴びてロッカールームで着替えを済まし、退店となります。
※一度通っただけでは、施設の魅力が分からなかったり、良い出会いがなかったり…ということもあるので、様々な施設に足を運び、口コミなどに左右されず、自分に合ったハッテン場を見つけることをオススメします。
専用ハッテン場・クルージングスペースにあるユニークな設備
全てのクルージングスペースにあるわけではありませんが、施設によっては刺激的な設備があります。
その一部をご紹介。
ケツ掘りブランコ
画像引用:https://twitter.com/daiana666/
低めのハンモックにウケが寝転び股を広げながら、タチが来るのを待つ。そして、タチはブランコを揺するようにウケとアナルセックスをする。
グローリーホール
グローリーホールとはアソコを出せる直径10〜30センチほどの穴。非対面で壁の向こうの相手とオーラルセックスをする事ができる。
流用ハッテン場で会う方法
本来はそういった利用施設ではないがハッテン場としてゲイ男性が集う「流用ハッテン場」
こうした場所で出会うには、インターネットのゲイ出会い掲示板を併用し、待ち合わせの相手を探すのが効率的。
爆サイ.comに設置されているゲイ掲示板をはじめ、無料で利用できる出会い掲示板は数多くあります。
※最近では、ツイッターやインスタグラムなどのSNSで個人的に約束をし、駅のトイレや公園などで行為に及ぶという人もいるようですが、迷惑行為となるため控えましょう。
ネット上などで有名な公共施設のハッテン場はノンケの方も利用しているので、その場に男性がいるからといって、全てがゲイ男性で出会いを求めているとは限りません。
ただし、超有名な流用ハッテン場であれば、ふらっと行ってもそれらしき男性が徘徊している場合もあります。
逆に向こう側から声をかけられることも。
ハッテン場 – サウナや銭湯
本来、サウナや銭湯はハッテン場を目的とした場所ではなく、ゲイ男性を始め、一般のノンケ男性や子供も利用している施設。
ハッテン場としてインターネットで知られている”専用の施設”であれば、掲示板やアプリなどで約束をして合流し、性行為に及ぶことが可能です。
※ノンケ男性も使用する一般の公共サウナや銭湯である場合、利用する際には露骨な行為をしないよう注意しましょう。
また、お風呂とサウナが好きなゲイ男性が集まる有名な店舗も数多く存在しています。上野や新宿にある「24会館」などがそれに当たります。
※インターネットなどでも噂されているので、事前にそうした場所の情報収拾をしておきましょう。
ハッテン場 – 成人映画館(ポルノ映画館)
一部では“ハッテン映画館”と呼ばれるスポットがあり、ゲイ男性が約束を取り付けて集まり、行為に及んでいる映画館があります。
※いわゆるゲイ映画を上映している映画館がそれに当たります。
ネット掲示板やSNSなどの体験談などによると…
主に、映画館のリクライニングシートで行為を始める方が多いようです。特に前列は人気で、多くの人が集まることもあるということです。
※各映画館ごとに、暗黙のルールがあり、館内で過ごす場所によって「OKサイン」になることがあるので、ルールが分からないという場合は事前に調べていきましょう。
ハッテン場 – 公衆トイレ
公衆トイレは、お金をかけず気軽にゲイ男性と出会うことができるスポットと言えます。
ただし、公衆トイレはゲイだけでなく、ノンケ男性も利用しているので、いたずらや迷惑行為は絶対にNG。
※間違えて異性愛者を誘い、後でトラブルになる事例も多々あります。場合によっては、通報されてしまう可能性もあります。利用する際にはくれぐれも注意しましょう。
ポイントはあからさまに陰部を見せつけ、卑猥な行為をしないことです。
“トイレを我慢して、ようやく間に合った…!”という雰囲気を出し、思いきりベルトを外して露出し、用を足すことで…
周囲にいる男性がゲイであるかどうか、ある程度見極めることができます。
その他にも、短髪やガチムチなどゲイらしい容姿の男性が長時間、鏡の前で髪をセットしている…という場合は、その男性がゲイである可能性が高いです。
※基本的に、公共の場を利用する際には、間違ってノンケ男性を襲ってしまうリスクがありますし、本来は性行為をする場所ではありません。昨今の多目的トイレの利用が問題になったように、当サイトでも利用の推奨はしていません。
ハッテン場 – 公園
公衆トイレと同じく、公園もハッテン場として利用されています。
主に夜間にハッテン場として利用されることが多く…
広い公園であれば、人気のハッテンスポットがあり、ゲイ掲示板などでは名物の待合せ場所になっている場合も多々。
公園はゲイだけでなく、女装をした男性も多く、年齢も幅広いため、様々なタイプのゲイ男性と出会うことができます。
※大きな公園であれば、トイレごとにナンバーがつけられており、その数字を目印にして待合せをする人もいます。
ハッテン場として有名な公園であれば、服装や容姿、行動などでゲイであることがわかりやすく、比較的気軽に出会いやすい環境と言えるでしょう。
ただし、昨今はいたずらや冷やかしでハッテン場に潜入し、撮影をしている悪質なYouTuberが増えています。
※冷やかしでハッテン場を訪れ、ゲイになりすましイタズラをしている動画などがアップされています。
残念ながら、ゲイやハッテン場の存在がテレビやYouTubeなどで取り上げられ、揶揄されているのが現状です。
こうした理由から、足が遠のく方も多いようです。