ゲイの老後問題を考える|カップル・独身それぞれの解決策を模索しよう

ゲイカップルのイラスト

日本におけるゲイカップル、またはゲイとして独身で生きる方々の老後に関する問題は、多岐にわたります。

ここでは、それらの問題をいくつか挙げて解説。あわせて解決策となる提案もお届けします。

※現在はゲイの方にとって大変助かるサービスが登場し始めています。これをきっかけに老後のゲイライフを楽しく過ごすために有効な方法を考えるきっかけになれば幸いです。

法的な保護の欠如

カップルの場合

日本では、同性婚は法的に認められていません。そのため、遺産相続や医療判断など、配偶者と認められる異性カップルが享受できる法的権利が同性カップルにはありません。

※また、公的な年金制度では、配偶者年金の恩恵を受けることができないため、経済的な不安が大きくなります。

独身の場合

法的な家族や配偶者がいない場合、緊急時に医療判断を行う権利を持つ人がいないという問題があります。

例えば意識が不明な状態で、手術を受けることになった。事故にあって意識不明が続いたとき…。

※この他、遺言がない場合、法定相続人でない友人やパートナーに遺産が渡らないため、意図した遺産分配が行えない可能性があります。

具体的な解決策:ファイナンシャルプランナーさんに相談してみよう

ファイナンシャルプランナー野口(愛称:たいさん)・加藤(愛称:りょうさん)

今では、ゲイ専門のFP(ファイナンシャルプランナー)さんがいらっしゃいます。当サイトでも、これまでに専門家の方に”ゲイカップルの相続”に関する質問をぶつけています。

リンク記事:『何食べ』から考えるゲイカップルの人生設計|お金や資産をテーマにゲイ専門のFPさんにお話を聞いてみた

解説していただいたFP加藤さんは、下町ゴリラズというラグビーチームの代表もされており、シェアハウス『ゴリラハウス』を運営。独身のゲイの方の緊急時対応も経験されています。

法的な問題や、資産の問題に悩まれているなら、ぜひ一度相談してみては?

※また老後のお金について学びたいという方は『お金の男子校』や、『お金の相談プロジェクト』も立ち上げていらっしゃるので、参加してみてくださいね。

住居の安定性と環境・介護と医療

ゲイの高齢者は、介護施設や地域コミュニティで偏見や差別に直面することがあります。

家族や社会からのサポートが少ない中で、孤立無援の状況に陥りやすいです。特に、パートナーや友人が亡くなった後の孤立は深刻な問題です。

カップルの場合は、同性のパートナーが介護者として認められないことが多く、サービスの利用に際して障壁となることがあります。

また、 独身かつ子どもがいない場合は、介護を必要とした時に頼れる家族がいないため、介護サービスへの依存度が高くなります。

※歳を取れば必ず病院にお世話になります。また賃貸に住んでいるカップルの方は年々、住むところに困る可能性はあります。実家があれば話は別ですが、都内や都会で生活している方の場合、気軽に地元に帰るという選択肢も取れないのではないでしょうか?

基本的に、ゲイの高齢者は住居の安定性に問題を抱えることが一番多いです。

パートナーとの関係が法律によって保護されていないため、パートナーの死後に住んでいた家を追い出されるケースも想定されます。

日本において、ゲイ高齢者を受け入れる介護施設や老人ホームはまだまだ少ないです。これにより、自分自身を表現したままで安心して暮らせる場所を見つけるのが難しいという問題があります。

具体的な解決策:ゲイの老人ホームをサポートする『友活の会』

ゲイの老人ホーム・共同住居案内と友活の会

アライアンサーズ株式会社ではゲイの老後をサポートする施設『友活の会』や、身元保証サービスなどゲイカップルの老後や、独身ゲイの老後の”住”にまつわるサポートを行っています。

ゲイバレ防止!所持品回収処分サービス『もシモBOX』

ゲイの老後の所持品の処分を行ってくれるサービスも手掛けていらっしゃるので、もしもの場合、身内に知られずに処分まで代行して行っていただけます。

遺品整理に不安の残る方も、ぜひ『友活の会』をチェックしてみてください。

ゲイの老人ホーム・共同住居案内と友活の会

具体的な解決策:結婚をあきらめていませんか?

リザライ濁川

カップルはお互いに介護し合うことはできますが、相方やパートナーのいないゲイの方でも、諦めるのはまだ早いです。

若い頃は好き勝手に付き合ったり別れたりしたけど、本当に生涯の最後を一緒に過ごしたいゲイが集まる結婚相談所を利用してみましょう。

リザライ』はLGBT専門の結婚相談所。

当サイトでは、そんなリザライに一日密着をしています。

結婚を目的とした人が集まるので、パートナーになれれば老後に関する不安を少しでもなくすことができるかもしれません。

リンク記事:ゲイの婚活を応援!リザライ濁川さんの仕事ぶりに一日密着してみた

具体的な解決策:あたらしい結婚のかたちもあります

COLORUS(カラーズ)

COLORUS(カラーズ)は”友情結婚”と呼ばれる恋愛じゃない結婚を提案するサービス。

わかりやすく言えば、ゲイの男性と、レズビアンの女性の結婚を成立させるというもの。抵抗のある方もいると思いますが家柄を大切にする方であれば需要のあるサービスであることはいなめません。

※公式HPによると、友情結婚とは”性愛はなくても、友情や愛情など様々な気持ちのつながりで win-winな婚姻を結ぶこと”とされています。

具体的な解決策:LGBTsフレンドリーな不動産

IRIS

男女のカップル・夫婦でなければ、スムーズにいかない物件探し。

審査を落とされることもしばしば。また仲介業者がゲイに理解のある方でないと、当事者もストレスになってしまいますよね。

そんな時は、LGBTsフレンドリーな不動産『IRIS』で探してみてはいかがでしょうか?

IRISでは賃貸物件だけでなく、住宅や不動産購入、またシェアハウスさがしまで手広く扱われています。

※ただしエリアに関しては、東京都内に限っています。今後、エリアも拡大される可能性がありますが、現状はまだ都会の一部でしか大家さんの理解がないのは非常に切ないですね。

経済的な問題

ゲイの場合、結婚をしていないという理由から職場での出世や収入に影響を及ぼす差別が存在することで、退職後の経済的な基盤が弱まることがあります。

※ベンチャー企業や飲食店などで働いている方にはピンと来ないかもしれませんが、大企業や中小企業で働かれている方、公務員の方などなら感じることも多いのではないんでしょうか?

また、生涯にわたる収入の不安定さや、配偶者に対する社会保障の非適用などから、十分な貯蓄が困難な状況になることがあります。

具体的な解決策:お金の男子校で資産運用を学ぼう

お金の男子校

お金と人生設計は密接な関係があり、攻め(資産運用)と守り(保険)の両輪で、お金の事を考えなくてはなりません。

冒頭でもご紹介した、ファイナンシャルプランナーの加藤さん・野口さんが運営する『お金の男子校』はオンラインで学べるコンテンツ。

20代~60代まで、お金のことを勉強したい男子(ゲイ)なら誰でも入学可能です。

※知識として知っているだけで、お金との向き合い方がきっと変わります。そして、将来の見え方が変わります。 初心者でもマスターできるお金の基本を学べるプログラムを提供しています。

お金の男子校の特徴

・ゲイの先生による、ゲイのための授業
・先生も生徒も全員ゲイだから気兼ねなく参加できます
・少人数グループ学級で、理解を深めやすい環境
・質問もしやすく、分かりにくいところはその場で解決できます
・分かりやすさ第一優先の基礎講座

授業の内容は、円高、円安、インフレ、超低金利、つみたてNISAの仕組み、お金の貯め方、銀行預金だけに頼る怖さなど幅広くお金について学べるほか、資産運用の相談にものっていただけます。

※「初等部(基礎編)」45分、「中等部(中級編)」45分に質疑応答を加え、約2時間の授業です。テキスト代2,200円(税込)のみで授業に参加することができます。

お金の男子校 – 相談は無料です!気軽に利用してください。

具体的な解決策:LGBT支援ハウス

LGBT支援ハウス

LGBT当事者・生活困窮者の支援を続けている団体『LGBTハウジングファーストを考える会・東京』では、緊急避難用のシェルター”LGBT支援ハウス”も運営しています。

一時的な避難場所になりますが、住む家が突然なくなったゲイのシェルターと呼べる施設です。

※2018年の開設からこれまでに20名の方(2023年現在)を受け入れられています。

また、こちらの団体では生活保護や医療サービスへの仲介、また住まい探しのサポートもしていただけます。

貧困・孤独・病気…
路頭に迷ってしまう前に、一度LGBT支援ハウスのドアをノックしてみて下さい。

LGBT支援ハウス
https://lgbthf.tokyo/

問題を解決してもらうのを待っててはいけない

日本は高齢化社会となり、高齢者サービスも充実していますが、ゲイ向けに特化したサービスも情報も不足しています。

※また介護の現場においても、配慮が不足しているケースも当然あるでしょう。

同性婚を認める動きは、地方行政の条例などで認められてはいるもの、病院や公的機関でも対応はまちまち。

現場レベルで対応が違うので、お住まいの地域でパートナーシップ・ファミリーシップ制度が導入しているからといって不安がないとは言えません。

病院に根深く残る”非親族”としての扱い

病院

東洋経済オンラインに掲載されている記事によると…

同性パートナーとして35年間共に生活しているカップルは、千葉市の同性パートナーシップ制度を利用して正式に関係を証明しました。

しかし、病院での扱いに差が出るなど、依然として課題が残っており、病院での非親族としての扱いや情報共有の不足が問題となっていると伝えています。

引用:「高齢LGBT」を悩ませる、これだけの不安要素 「同性パートナーシップ制度」普及でも残る課題 | 家庭 | 東洋経済オンライン

浮かび上がる問題点

・法的認知の不足
同性カップルに対する社会・法的な認知が不足しており、病院での適切な対応が得られない場合がある。

・情報共有の障害
非親族と見なされるため、重要な医療情報の共有が適切に行われない。

・社会的偏見
同性カップルへの偏見が根強く、それが公的な場でも影響を及ぼす。

これらの問題は、日本における社会制度や文化的背景に根ざしています。