仙台『ZEL』を語ってみた|UNDERWEAR PARTYはゲイ仲間のできる素敵イベント

仙台ZEL

この記事では、運営側の目線ではなく、ZELの利用者・丹野の視点から解説しています。

今回は、仙台で暮らすゲイの方にぜひ知って欲しい団体『ZEL』さんをご紹介。利用者側の感想や想いを多分に含みまが、少しでも伝わればと思います。

ZEL(ゼル)ってどんな団体?

ZEL(HP)

community center ZEL
http://sendai865.web.fc2.com/zel.html

ZELさんは厚生労働省の委託で運営している、ゲイのみなさんへ向けた団体で

HIV/AIDSの正しい情報や病気の感染状況の周知、また、ハッテン場や来館された方などへコンドームの配布などをされています。

※ゲイのみなさんに対して、HIV/AIDSについての啓蒙活動や感染防止をメインとしたイベントなども開催。

『community center ZEL』の誕生は2010年。
名前は、仙台のシンボルであるけやき(zelkova)に由来。運営しているのはやろっこというグループで、もともと東北HIVコミュニケーションズという団体の中のゲイのグループでした。ZEL設立前から、毎月ゲイの交流会を開催し、夏にはゲイビーチで清掃&アウトリーチ(コンドーム配布)を行い、年に1度「男魂 -MEN SOUL-」というイベントを開催し、その中でDRAG QUEENユニット「Anego Girls」やGO-GO BOYユニット「みちのく駐屯地」を育て、ゲイナイト以外の(一般にも開かれた)イベントも催していました。

g-lad xx(グラァド)より引用

施設について

ZELの入居するリスズビル

施設は、仙台市の定禅寺通りにあります。1階に松屋の入るリスズビル9階です。

定禅寺通りは仙台市民の象徴というような通りで、けやき並木が続いて都会にありながら森のなかを歩いているような自然豊かな場所。

気軽に足を運ぶことが可能です。もちろん無料で利用できます。

※冬には光のページェントが開催され、綺麗なイルミネーションが光ります。

ちなみに、ZELさんのすぐ近くには多くの飲み屋さんであふれる国分町があります。

その中には数多くのゲイバーがあったり、その昔は仙台SPEEDさんがあったんですよね。(残念ながら惜しまれつつも閉店されました。)

※ZELさんの最寄り駅は「勾当台公園駅」。公園2出口から徒歩5分の場所にあります。

営業日・定休日について

水曜日と木曜日と毎週第一日曜日を除き毎日営業しています。平日&土曜日は18:00~22:00まで。日曜日は15:00~20:00となっています。
(2024年4月現在)

仙台市の繁華街の中心地にあるので地元の方はもちろん、仙台へ旅行で行った時などでもアクセスが良いので立ち寄りやすいです。

注意点

ZELさんはハッテン場ではないので、性行為は行えません。

利用者が語る:ZEL室内の様子

ZEL室内

画像引用:X(@sendai865

ZELの室内にはテレビがあり、みんなで世間話をすることが多いですね。

※ちなみに、お茶とお菓子は無料なので気軽にいただくことができます。もちろん入場も無料。

話し相手になってくれる職員さんは男性です。女性はいません。質問してくれたり職員さんがお話をしてくれる人もいます。

お部屋にはゲイの人を支援してくれる全国各地のチラシがたくさん置いてあります。東北ゲイ団体の”ハブ”のようなイメージ。

※ゲイに関する情報センターという一面もあるため、HIVやAIDSのチラシやゲイバーのチラシ、LGBTQ+に関するチラシやポスターもあります。

ZELの室内に掲示されているチラシ

ZEL内に掲示されていたチラシ

ちなみに、ZELさんにはゲイ雑誌もたくさん置いてありまして、Badiなどの過去のバックナンバーが豊富に揃っています。

※僕の場合は、ZELさんに置いてあるゲイ雑誌を読んで、気に入ったものをメモして自宅に帰り、アマゾンでBadiのバックナンバーを購入したりもしました。

大きなテーブルがあり、椅子もたくさんあるので、大勢の人が来ても、少人数でも楽しめます。

平日も開館していますが、やはり土曜日曜のほうが平日と比べて利用する人が多く…

ZELさんへ足を運ぶ人は、ゲイの施設ということで、どんなところだろう?と興味を持って来る人が多い印象。

※ゲイ同士、気さくに心を解放できる場所ということで、お話しできたりするのはとても嬉しいです。

どんな人が来るの?

主催者の方のお話だと、地元の人が9割。次に福島・山形の方のようです。その他は、東京から来た人が寄ってくれるとのこと。

情報元:https://www.reddy.e.u-tokyo.ac.jp/img/tohoku_sexual_and_gender_minorities_report/10_ota.pdf

ゲイとの出会いがあるZELさんのイベント

ZELさんでは毎月のようにイベントがおこなわれていて、ゲイがいっぱいいるからという理由で来る人も多数。

イベントは『アンダーウエアパーティ』や、『トークオンリーの会』があります。

※ZELのイベントに関しては、こちらのページに掲載されているのでチェックしてみて下さい。

アンダーウェアパーティ(ZEL UNDERWEAR PARTY)について

アンダーウエアパーティ(ZEL UNDERWEAR PARTY)

画像引用:X(@sendai865

アンダーウェアパーティは、パンツやふんどし、水着など、参加者がパンツ一枚(パンイチ)で行うイベント。

※イベント毎に、アンダーウェアの種類がローテーションで変わっていきます。褌・水着・白ブリーフ・尻出し下着など。

イベントごとにドレスコードが決まっているので、自前で用意して参加しましょう。

ちなみに、パンイチなのでエロいイベントになりますが、フルチンになってはいけないルールなのでパンツは”絶対着用”です。

アンダーウェアパーティの様子

画像引用:http://sendai865.web.fc2.com/zup_w.html

パンイチでゲームをするのですが

ゲームの内容はパンイチでツイスターをやったり、パンイチで尻文字をしたり、他にもたくさんエロいことがあるのですが、厚生労働省の許可が降りなくなってしまうと困るので…

男子がはだかでゲームをやるので、かなり刺激的でエロいです。

※ゲームではないときでも、パンイチでおしゃべりとかできますよ。

どんなタイプのゲイが来る?

ZELさんに来る人の年齢層は、10代から歳上の方まで、かなり幅広い年齢層の人がきます。

参加する人の体形は不問で、スリムな人からがっちりがちむちな人や筋肉質な人まで、これも幅広い体形の人が来ていました。

※太っているから参加できないということはありません。がっちりがちむちな人もたくさん参加します。

若い人はもちろん、静かな人からやんちゃな人までいろんな人が参加します。年齢が上の方もたくさんいます。受け皿が広いのがZELさんの特徴と言えるでしょう。

※アンダーウェアパーティは、上半身裸なので、これだけでもかなりエロいです。若い人が好きな歳上の人は会話が弾みますし、歳上が好きな若い人は歳上の人もたくさんいるので甘えたい放題です。

素敵な出会いがたくさんある

アンダーウェアパーティの様子

画像引用:http://sendai865.web.fc2.com/zup_w.html

参加している人のなかで、はじめましての人はいい出会いがあればくらいに思うのかもしれませんが、そのうち何回か参加してくると出会いを求めて参加される人も多数。

時おり、かっこいいかわいい、やんちゃイケメンが来るときがあるので、盛り上がります。

※若い方は、歳上で包容力がある方も多数いらっしゃるので、べたべたしてもいいと思います。

もちろん、ZELさんはハッテン場ではないので、本番行為はないのですが…

下心は持ってきているので、知り合いが欲しい人や友だちが欲しい人、彼氏が欲しい人やお父さんが欲しい人も大歓迎です。

僕もよくハッテン場へ誘われましたね。

※彼氏じゃなくても友だちができるのがZELさんのイベントです。ゲイの友だちが欲しいなら、ZELさんをお薦めします。ボディタッチがありますが、嫌なときは途中退席できるので、自由に参加してほしいです。

ハッテン場よりもやわらかい雰囲気が好き

ZELで知り合った方と

ZELを通じて知り合った人と芋煮会

ZELさんに参加している人は、ハッテン場に来る人よりもやさしい人が多いです。

※ハッテン場だと何も言わないでいろいろなことをさせられてしまいます。(ハッテン場が決して嫌いなわけではないのですが…。

ここでは、おしゃべりが好きな人や、友だちを作りたい人が多いです。

友だちはエロい人でも、そうじゃない人でも大歓迎な場所。

ゲイというと少数派で淋しいというイメージがありますが、ZELさんに参加している人たちは笑いが絶えない、楽しい人が多くて、いつもにこにこしています。

※もちろん暴力的なことはないですし、ハッテン場へ行こうというお誘いはありますが、嫌なときはしっかり断るスキルが必要だと思います。

ZELと出会って、飲み会へ行ったり銭湯へ行ったり花火大会へ行ったりと、楽しい生活が送れるようになりました。

急にキスされたり掘られたりということはありません。楽しい場所ですよ。

ZELイベントの思い出を振り返る

ふんどしで書初め

ZELさんのイベントで楽しかったものがたくさんあるのですが、僕がはじめて参加したのが”年明けの書初めイベント”でした。

ふんどし一丁で書初めをやりましたが、みんなふんどしなので恥ずかしい気持ちはありませんでした。はだかでふんどしで書初めをするので、まじめに書いても面白くないと思い、その当時の抱負を「週三回」と書きました。

書いた意味はご想像におまかせします。

※参加されたみなさんの習字はまじめなものもありまして、まじめに書いたほうがよかったかなと思いましたが、面白い書初めのほうが仲良くなれると思い、ふざけた書初めを書きました。

書初めを発表したら、そのあとはひたすらおしゃべりの時間で、自分の話もさせてもらいましたし、イベントに参加されたメンバーさんのお話もたくさん聞けたのでうれしかった。

ゲイ関係のお話も話したり聞かせてもらいましたが、一般的な世間話で”最近暑いですね、寒いですね”なんて話から始まって、ふんどし好きなんですか?という質問をしたりされたり、みなさん大人なのでお酒の話とかたばこの話と腕時計の話とかしました。

※でも、タチウケどちらなんですか?とか、ハッテン場の話とかは、プライベートな話みたいで、やはり初対面同士だと、ハッテン場の話はあまりしたくはないみたいなので、天気の話とか仕事の話とか趣味の話とかに変えました。

よくしゃべる人にはしゃべってもらって、あまり自分の話はしたくない参加者さんにはひたすら天気の話とかニュースの話とか話題になっている話をして、相手のことは聞かないで世間話をして過ごしていました。

パンツ一枚で尻文字

ゲイのみなさんのイベントなので、お仲間さんは、はだかとかふんどしとか競パンとかアンダーウエアとかに興味があるので、そのようなイベントが多く開催されます。

楽しかったイベントの思い出のひとつに”尻文字で何と書いたでしょう?”というものがありました。

※想像通り、ひらがなの文字をお尻で書いてそれを見ている人がなんて尻文字を書いたか当てるというゲームです。

尻文字を書いているほうは、腰を上げたり下げたりしたり、腰を回したりするので、筋トレのストレッチをするのと同じで、かなりきつい運動みたいでしたが、見ているほうはパンツ一枚で尻文字を書いている光景が見られて楽しかった。

ストレッチのような尻文字で疲れた!と言いながら尻文字を書いたり休んだりという様子が見られて、ああなんて楽しい居場所をみつけられたんだろうと思いました。

すごい楽しかったです。

ZELイベントは、心が許せる平和な場所

ZELイベント告知

画像引用:http://sendai865.web.fc2.com/english.html

ZELさんのイベントは途中参加途中退席できるので、とても”自由”です。

気を使うこともありますが、みんな裸になり、お仲間さんなので、ため口で話したり、敬語だけれどそんなに緊張はしないし嫌でもない相手なので、楽しいです。

※イベントに参加したら景品にいろんなパンツがもらえるし、なかにはふんどしももらえたりします。

職員の人はやさしいし心が許せる人ですし、いろいろ気を使ってくださいます。また、トゲがあるようなしゃべり方をする参加者もあまりいないので、かなり平和です。

ZELさんはおしゃべりを通して、人と人が握手をするような感覚。仲良くしたいという気持ちが伝わってきます。

※初心者歓迎なのがZELさん。イベントに参加したメンバーさんは、ZELさんのHPを見て、ふんどしの人がいるみたいとか、競パンの人がいるみたいということで、ZELさんへ参加しています。

ハッテン場ではないので激しいことはないから、初心者の人でも大丈夫です。

はじめてZELへ行くかたへ

ZEL室内の様子

画像引用:https://gladxx.jp/features/2010/support/83.html

ゲイバーやハッテン場へ行ったけれど、ゲイで検索してコミュニティセンターってどんなところだろう?と思い

ZELイベントの前に、一度通常営業のZELさんへ行ってみる人もいらっしゃいます。僕もそうでした。

はじめてZELさんへお伺いしたときは、質問攻めもないし、ずっとテレビを一緒に見てくれたり、ハッテン場行かないの?とか聞いてくれたりうれしかった。

※気を使って話しかけてくれている印象があり、やさしいです。

ZELのイベントを通じて仲間が増えた

 35歳からのGAY LIFE・コンドームまつり

画像引用:X(@sendai865

ZELさんに参加して彼氏ができたり友だちができたという人がたくさんいます。もう、ひとりじゃないんだと思うようになれるはずです。

僕も通うようになってから、飲み会に誘ってくれたり、”芋煮会”という東北地方ならではの豚汁のような鍋物をおにぎりと一緒にみんなで食べるという会にも参加できてうれしかった。

みんなゲイなので、はじめて参加する人に「ゲイなの?」と聞かれることはありません。

※個人的な話は聞かれないし、世間話が多いです。思っていたよりも怖くない場所だと思いました。

イベントにはリピーターの人も多くて、常連さんを含め和気藹々した雰囲気。仲のいい感じがすごく伝わってきます。だけど排他的ではなくアットホーム。

※みなさん仲がいいので、からかうことはありますが、暴言を吐いたり暴力を振るうようなことはありません。心が傷つくようなことも言われません。

アンダーウェアパーティの様子

画像引用:http://sendai865.web.fc2.com/zup_w.html

大人がはだかでゲームなのに真剣に勝とうとしている光景は、なんかいいなぁとみなさんも思うはず。

ゲームだから負けてもいいのにみんな真剣なんです。(まじめな人が集まるのもZELさんの特徴です。)

かっこいい人もいるしかわいい人もいるし、筋肉がすごい人もいるしおしゃべりが楽しい人もいるし、静かな人もいるしお話の聞き役の人もいるし

…別に何もできなくても何も取り柄が無くても、ぜんぜん大丈夫なのがZELさんです。

※面接みたいなこともないし無料で参加できるし、なにより楽しい。ZELさんは宮城県仙台市を中心に、東北各地からの参加者が多く、関東からもお越しになる人もいらっしゃいます。

別に毎月参加しなくてはいけない義務もないですし、フリーです。

ZELのイベントは毎月のようにありますが、とくに参加資格も制限もありません。

10代から人生の大先輩まで幅広い年齢層の方に親しまれている居場所がZELさんです。

※はじめに参加するときがドキドキするだけで、あとはずっと楽しい。ぜひ、みなさんも『ZEL』に一度足を運んでみてください。そして月一で行われているイベントにも参加してみて下さいね。

community center ZEL
宮城県仙台市青葉区国分町3-3-5 リスズビル9F

運営:公益財団法人エイズ予防財団 協力:やろっこ
厚生労働省委託事業「同性愛者等向けコミュニティセンターを活用した広報等一式事業」